書評感想21 『お金の真理』与沢翼の最新作
著者:与沢 翼
出版:宝島社
2020.4
368P程
カテゴリ:与沢氏の実体験を交えたお金との付き合い方・考え方
おすすめ度:10点中8点
『秒速で1億円稼ぐ男』とマスコミを騒がせた、あの与沢翼氏の最新著書。
前著『ブチ抜く力』が面白かったので今作も手に取りました。
内容はお金に関する話、与沢氏の考え方と、お金持ちになるための心構えと方法という話です。
かつて六本木など夜の街でも豪遊の限りを尽くしていた欲望うずまく与沢氏とは完全にイメージチェンジというか、考え方が変わっています。
・欲望のブラックホールにのまれて行動すると破綻する
・今、自分がひと月に使うお金は1万バーツ、日本円で3万5000円程です
・お金持ちになりたい人は、お金をわが子のように大切に扱うことが最初のステップです
・可処分所得の大きさこそが豊かさの源泉です
・現金一括で余裕を持って買えないすべての商品は身分不相応と考えるべきです
・「高すぎない期待値」が物事の継続に非常に大きな役割を担っています
・日頃の準備が、お金持ちとそれ以外の人との差をつくっていることは間違いないといえます
・ひらめき(直感)→実行→反省のサイクルが大事です
・少しのことでも満足し、感謝することが大切です
・富の源泉に近い、より優位なポジションを勝ち取ることが肝要です
・自分自身に関する支出だけは1円単位のお金もけっしてバカにせず切り詰めたうえで、周囲にいる人たちには、お金の負担を意識させないということを徹底しています。家族にお金の心配などはさせたくないからです etc
正直、前作『ブチ抜く力』を読んでいれば、今作で目新しいことは書かれていません。新型コロナウイルスによるコロナ禍などに対する考えが書いてあるくらいでしょうか。前作より丁寧に与沢氏の考え方が書かれています。
前作や今作を読んで、かつて与沢氏が「秒速で1億円稼ぐ男」と騒がれていた、情報商材で財を成していた頃の著書を読むと、かなり考え方が変化したことがわかります。
例えば、上記の『秒速で10億円稼ぐあり得ない成功のカラクリ』(2013.9出版)では
与沢氏はチームの力をクローズアップしていて、「個」の力に特化している今とは大きく考えが変わっていることがわかります。
幼少期のエピソードから、小学生時代に経験した「いじめ」中高時代の不良的な道、アパレル会社起業→繁盛→倒産、情報商材で起業→繁盛→倒産、酸いも甘いも経験して資産がなくなった状態で2014年に海外に拠点を移し、僅か5年で60~70億もの純資産を築いた与沢氏の考え方には、得るものがあると感じます。
*注:与沢氏の公式youtube「与沢の流儀53条」で『秒速で1億円稼ぐ条件』(2013.1月)、『秒速で10億円稼ぐあり得ない成功のカラクリ』(2013.9月)は与沢氏を取材したライターさんが書いた本で、間違いが多いからおすすめできないということを発信されていました。
個人的な疑問は投資家として復活し、仮想通貨リップルで10億円以上の利益をあげたことでも知られる与沢氏。2014年後半?に海外に拠点を移した与沢氏が、その時には会社の清算などに貯金を使い果たして軍資金が殆どなかったはずだと思うのですが、どうやって勝負する軍資金を貯めた、稼いだのかということです。インターネット関係の何かなのでしょうかね(?)日本時代に築いた知名度があってこそだと思いますが。
与沢氏に興味のある方なら、読んで間違いない本ですし、波乱万丈の生き方をしてきた与沢氏の考え方だったり、考え方の変化というのは読んでいて勉強になります。
与沢氏の本を読むのが初!という方には端的にまとめられた『ブチ抜く力』の方がおすすめです。
お金持ちになる方法として与沢氏の著書や、他の多くの方の著書に書いてある内容を自分なりにまとめると、こういうことになります↓