『十角館の殺人』
著者:綾辻 行人
出版社:講談社
2007.10(元は1987年の作品)
512P程
カテゴリ:孤島殺人系ミステリ
おすすめ度:10点中10点
ミステリーの傑作で検索してでてきた作品。
元は1987年の作品です。
大学のミステリー研究会が曰くつきの島で合宿をし、そこで次々に殺人事件が・・・
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせる。
ベタだろうとも、興味をそそられる展開です。
メンバーが海外著名作家の渾名で呼ばれたり(普通そんなことないでしょと思いますが)、ミステリ研ということで、灰色の脳細胞~など、様々な推理が出てきたりするのも面白い。
(関係ないですが、この作品の一部の殺人の方法について、東野圭吾さんが『白夜行』で突っ込みを入れていた気がします。)
物語と推理は現地(島)メンバー7名と、島にいっていないメンバーとの2部構成で進められていき、長編ですがグイグイ先が気になります。
私の推理は、冒頭のエピローグで犯人は「彼」ということで、島に行った7人のうち、女性2名は一応除外されます。途中まで決定的な証拠もなく、真壁兄弟はあまりにもミスリード臭く、島田なる人物は怪しいが、アリバイがある。さて島のメンバーが残り少なくなった時点でもわからなかったのですが・・・
そこで
あの一行!!
すっかり騙されました。
動機が陳腐だったりしますが、それより物語の面白さやビックリ度が高かったです。
結局、ほぼ完全犯罪となり、自首したと思われるのも犯人の良心によるもの…といった余韻のあるラストでした。
行間や想像力を使う小説ならではの魅力のある作品。
ミステリ作品でオススメは?と聞かれたら真っ先に推薦したい作品です。
ネタバレを見ると、あの衝撃が味わえないので、是非自分で推理しながら楽しまれることを☆