書評感想26 『成しとげる力』日本電産の永守重信会長23年ぶりの書き下ろし自著 伝説の経営者の生き方指南
著者:永守 重信
出版:サンマーク出版
出版日:2021年11月22日
183P程
カテゴリ:日本電産創業者:永守重信の生き方
おすすめ度:10点中9点
伝説は実在する。
1973年、28歳時に4人で日本電産を創業。2021年現在では従業員10万人以上、売上1兆5000億円を超える世界トップのモーターメーカーに成長させた現存する伝説的経営者の1人、日本電産創業者:永守重信氏の23年ぶりという書き下ろし自著。数々の経験を経てきた永守氏の言葉は重く、多くの学びが詰まった1冊。
年齢を重ねても衰える気配はなさそうな永守氏は
2021年11月現在、77歳ですが、75歳の時に新五十年計画を立て、125歳まで生きるつもりとのことです。
70歳時の古希に、自宅にトレーニングルームを設置して毎日1時間程のトレーニングを欠かさないといいます。
内容と感想
主に永守氏が経営者として人間として生きてきた人生70年以上を振り返り
読者にメッセージという形がとられています。
・人生とは運が七割、努力が三割である。
・運をつかむためには、いくつかの法則があると思っている。まず、つね日頃より準備と努力を怠らず続けていることである。努力の積み重ねがないところには運もやってこない。
・どんなに小さくてもよいから成功体験を重ねること―――それによって自信がつき、負けん気が培われ、さらに大きな成功につながるものだ。
・日本電産には”三大精神”なるものがあるが、そのうちの一つが「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」である。
・私は「減点主義」はとらない。あくまでも「加点主義」である。スタート時点の評価はゼロだ。そこから、さまざまな課題に意欲的に挑戦することで、点数がプラスされていく、何もしなかったり、上司から指示されたことだけをやっていたら、いつまでたっても評価はゼロのままだ。
・百挑戦したとしたら、成功するのは一つか二つにすぎない、残りの九十八か九十九は失敗しているのだ。まして、会社の運命を変えるような大成功は、千のトライで三つほどしかない。まさに「千三つ」だ。つまり、それだけ種をまかなければ、花の咲く木は育たないということだ。
・何が変わったのかといえば、それは社員の意識だった。
・これからはEQの高さが求められる~EQとはまた「人間力」といい換えてもよい。
・困難は必ず解決策とともにやってくるからだ。
・そして、七十五歳になって、新たに「五十年計画」を立てた。五十年後の目標は売上高百兆円だ。
・この年になって同窓会などに出ると、私のほかはほとんどが職業人生を終えてリタイアした人たちばかりである。そのほとんどの人の口から聞かされるのが、「自分の人生、こんなはずではなかった」という後悔の言葉である。これまでさまざまな人の声を聞いてきたが、百人いれば九十九人、ほぼ全員がそのようにいう。「自分の人生はいい人生だった。いっさい悔いはない」と自信をもっていえる人は、一人いるかどうかだ。その次には「永守、お前はいいな」とくるのがつねである。
・いかに悔いのない人生を送るか―――。そのためには絶対に実現したいという夢や希望をもち、これだけは成しとげるという気概と執念をもって日々生きていくことだ。仕事だけの話ではない、自分の人生をいかに成功させるかである。それは、人生というドラマを自らがいかに演出し、感動的なものにしていくかということでもある。
数々の経験を経てきた永守氏の言葉は重く
たくさんの気付きや学びが詰まった1冊だと思います。
本著で示されている物事について全てを受け入れることができるわけではないですが
日本にもまだまだ伝説的人物がいて、得難い経験を
こうして後進に残してくれるというのはありがたいことですね。